イカ様はタコなぐり
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シンデレラに見る経営学

「童話『シンデレラ』で、一番得をしたキャラクターは誰だと思う?」

「え、何いきなり」

「暇つぶしだ、いいから答えろ」

「そりゃー、玉の輿で王妃確定のシンデレラじゃないの?」

「違うな、正解は魔法使いだ」

「は? なんでよ」

「一見すると魔法使いは、無償でシンデレラにドレスや馬車を提供したボランティア精神あふれる人物に思える」

「そうだよ、むしろ一番損してるキャラクターじゃね?」

「確かに初期グリムの死んだ継母や義姉を無視すれば、最も労力を行使している存在だが。ちなみに現代絵本の家族が生きている場合の結末だと仮定する」

「ああ、あったね、そんなベストセラーになった黒い勧善懲悪」

「多少うがった見方をしても、安全圏から乞食に施しを与えて満足感を得る偽善者で、具体的なメリットがあるとは言い難い」

「一気に嫌なキャラクターにされたね、魔法使い」

「良い意味では、ノブレス・オブリージュを体現した幻想的な存在とも解釈できるな」

「フランス語で地位のある人が義務を果たす、みたいな意味だっけ。平成ライダーで覚えた」

「確かに短期的なミクロの視点で『シンデレラ』という物語を俯瞰した場合、魔法使いに具体的な利益はない。しかし、長期的マクロ視点で見た場合は、話が変わってくる」

「なんかいきなり経済用語が出てきた!?」

「最初にお前が言ったようにシンデレラは何事もなければ、いずれは王妃となり王位継承権を得る。その他の傾国の美女の例を鑑みると、国政に口を出す可能性すらある。貧乏貴族の娘が、だ」

「まぁ家事しかやらされなくて勉強してないイメージはあるね」

「その暫定王妃に絶大な信用を得ている魔法使いは、間接的に国政を操ることが出来る」

「ああ、やっと言いたいことが分かったわ」

「魔法がありふれたファンタジーな世界観だったとしたら、宮廷魔導師くらいにはなれるだろうし、そもそも多少怪しくとも宣言通り自分を幸福にしてくれた魔法使いにシンデレラが逆らう必然性は皆無と言っていい」

「なんか今度はインチキ霊媒師みたいなキャラクターにされたね、魔法使い」

「この魔法使いの凄いところは、そのインチキ霊媒師みたいに長期間の催眠や洗脳を行わずに、ドレスと馬車という金を積めば買えるような必要経費だけで、国政や国費に手が届く立場を手に入れたことだ」

「確かに、魔法の催眠だと解けたりするかもしれないからね」

「展開上必要な、加工の難しいガラスの靴を一瞬で出現させるのは魔法が必要だが、これも現代ならば形状記憶合金の素材を使ったブーツなどで代用可能だ」

「ドレスにブーツはどうかと思うけど」

「要は現代の技術を使えば、魔法を使う必要すらなく一国を支配できるというわけだ」

「うーん、確かに魔法使いが闇のフィクサー的人物にしか見えなくなったわ」

「実際に国の執政をやっている人物や地位に意味はなく、それを心理的に操作する立場にいればいい。世界最強の格闘者よりも、それを雇っているスポンサーの方が強い立場にある、といったところか」

「自由に振る舞えるし、命を狙われる心配も減るしねー」

「ま、仮定の話だけどな」

「でも、今から要人の暗殺をする俺たちの仕事に意味はないってことにならない?」

「そもそも雇われて仕事してる時点で、俺たちはシンデレラ側だな」

「やなシンデレラだ」

「暇つぶしは終わりだ、仕事の準備しろ」

「はいはい、分かりましたよ理屈屋スポッターさん」

「十二時までには終わらせろよ、気分屋スナイパー」



 
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at 00:00, 長文3, comments(0), trackbacks(0)

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